マラソンにおけるピッチ走法とスライド走法の比較と紹介

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マラソンにおけるピッチ走法とスライド走法の比較と紹介

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マラソンというスポーツは、単に42.195kmを走るというだけではなく、その走り方ひとつひとつにも奥深い戦略と技術が求められる競技です。

長時間にわたるレースの中で、自分に合った走法を見つけることは、記録の向上や故障の予防に直結します。

その中でも代表的な走法が、「ピッチ走法」と「スライド走法」の二つです。

今回はは、それぞれの特徴、利点と欠点、そしてどのようなランナーに適しているのかを比較・紹介します。

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ピッチ走法とは

ピッチ走法とは、一歩あたりの歩幅(ストライド)を小さくし、その分足の回転数(ピッチ)を多くする走法です。

一般的にピッチは1分間に180歩前後が理想的とされており、短い歩幅で小刻みに足を運びながら走るスタイルが特徴です。

この走法のメリットとしてまず挙げられるのは、「安定性と疲労の蓄積軽減」です。

足の設置時間が短く、着地時の衝撃も比較的弱いため、関節や筋肉へのダメージが少なく、長時間にわたるレースでも持続しやすいのが特徴です。

特に日本人のように小柄で筋力よりも持久力に長けた体型のランナーにとって、体への負担を最小限に抑えながら効率よく走れるスタイルと言えるでしょう。

また、着地時に身体の真下に足を置きやすいため、ブレーキ動作が少なく、結果としてエネルギーのロスも少なくなります。

さらに、登り坂や強風などの厳しい状況下でもリズムを保ちやすく、一定のペースを維持しやすい点も強みです。

ただしデメリットとして、1歩で進む距離が小さいため、一定以上のスピードを出すのが難しいという点があります。

ピッチを上げてスピードを上げようとすると、心肺への負荷が増し、無駄なエネルギーを消耗する可能性もあります。

スライド走法とは

一方で、スライド走法はその逆で、足の回転数を抑えながらも、一歩あたりのストライドを大きくとって進む走法です。

特に海外のエリートランナーに多く見られるスタイルで、見た目にも非常にダイナミックで伸びやかなフォームが特徴的です。

この走法の最大のメリットは「推進力の強さ」です。

地面をしっかりと蹴り出す力を利用し、大きな歩幅で進むことで、少ない歩数でもスピードを稼ぐことが可能になります。

効率よく地面からの反発を利用するため、筋力のあるランナーには非常に適しています。

また、フォームをしっかりと意識すれば空中での滞空時間が長くなり、走っているというより「跳ねている」ような感覚を得られることもあります。

これはエネルギーの消費効率を高め、短時間でより長い距離を稼げる点で優れています。

ただし、この走法にはそれ相応の筋力が必要となるため、初心者や筋力に自信のないランナーにとっては負担が大きく、故障のリスクが高まります。

特に膝や腰、ハムストリングスへの負担が顕著で、長時間このフォームを維持するには高度な筋持久力と技術が求められます。

比較と使い分け

比較項目 ピッチ走法 スライド走法
ピッチ数 多い(180〜190歩/分) 少なめ(160〜170歩/分)
ストライド 小さい 大きい
推進力 小刻みに安定 一歩で大きく進む
疲労度 軽め(関節に優しい) 筋力への負荷が大きい
向いている人 小柄・心肺型 高身長・筋力型
向いている場面 長距離・登り坂 平地・短時間でのペースアップ

多くのトップランナーたちは、この二つの走法を状況によって使い分けています。

たとえば、登り坂や疲労が溜まってきた後半はピッチ走法で安定を保ち、平坦な区間ではスライド走法でスピードを稼ぐというスタイルが一般的です。

シューズについて

アシックスのメタスピードのシリーズは、ピッチ走法・スライド走法に適したシューズが販売されています。

自身の走法に合わせてシューズを選んだりもします。

・ピッチ型のエッジ

・スライド型のスカイ

まとめ

マラソンにおいて、どちらの走法が「正解」ということはありません。

大切なのは、自分の体格や筋力、目指す目標に応じて適切なフォームを選び、それを継続的にトレーニングしていくことです。

ピッチ走法は安定性と省エネを重視した持久型、スライド走法はパワーとスピードを重視した瞬発型。

どちらにも長所と短所があるからこそ、自分自身の走りと向き合いながら、その時その時のコンディションやコースによって柔軟に選択していく力が求められます。

そして、何よりも大切なのは「無理なく、楽しんで走る」ことです。

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