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ここ数日、部活動の遠征中の事故が話題になっています。
そこで今回はランニング(陸上)の視点も交えながら、「部活動の遠征」について考えてみました。
私自身も現在、子どもの部活動の送迎真っ只中にいます。
だからこそ、「遠征の意義」と「負担」の両方を感じています。
はじめに
近年、学校部活動における「遠征」や「保護者送迎」の負担が大きな課題となっています。
休日の県外遠征は、選手だけでなく、保護者や指導者にも大きな負担を与えます。
一方で、
「遠征を多く行うほど強くなる」
という考え方はいまだ根強く残っています。
しかし、本当にそこまでの遠征が必要なのか、改めて考える必要があるのではないでしょうか。
遠征のメリット
もちろん、遠征には教育的・競技的な価値があります。
普段対戦しない学校との試合は、新しい刺激になります。
また、慣れない環境で試合をすることで、精神的な成長も期待できます。
宿泊を伴う遠征では、
- 集団行動
- 礼儀
- 時間管理
などを学ぶ機会にもなります。
さらに、強豪校との対戦は、自分たちの実力を客観的に知る良い機会になります。
特に全国大会を目指すレベルでは、地域内だけでは経験できない強度の試合を経験することも重要です。
球技は対戦相手が必要な競技
競技によって、遠征の必要性は異なります。
サッカー、野球、バスケットボール、バレーボールなどの球技は、相手がいて初めて成立する競技です。
実戦の中でしか学べない、
- 判断力
- 連携
- 試合勘
があるため、ある程度の練習試合や合同練習は必要だと言えます。
特に強い相手との試合は、自分たちの課題を明確にし、技術向上につながる場合も多いです。
そのため、球技において遠征そのものを完全に否定することはできません。
陸上・マラソン競技の遠征の考え方
一方で、陸上競技やマラソンのような個人競技は、球技とは少し事情が異なります。
長距離種目では、
- 日々の走り込み
- 基礎練習
- 体調管理
の積み重ねが結果に直結します。
そのため、頻繁な練習試合や合同練習が必須というわけではありません。
しかし、だからといって遠征に意味がないわけでもありません。
レベルの高い選手と一緒に練習することで、大きな刺激を受けるメリットは確かにあります。
実際に強い選手の走りを間近で見ることで、
「自分には何が足りないのか」
を実感できますし、練習への意識が変わることもあります。
また、全国レベルの練習環境を体験することは、競技へのモチベーション向上にもつながります。
つまり、陸上競技における遠征は、
「試合数をこなすため」
というより、
「高いレベルを体感するため」
という意味合いが強いように感じます。
それでも県外遠征は本当に必要なのか
ただし、そこで改めて考えなければならないのが、
「その効果が負担やリスクに見合っているのか」
という点です。
県外遠征には長時間移動が伴うことが多く、
- 早朝出発
- 夜遅い帰宅
- 長距離バス移動
などは、選手にも引率者にも大きな疲労を与えます。
さらに最近では、部活動の遠征中に交通事故が発生するケースも報道されています。
長距離移動は、どうしても事故リスクを伴います。
特に、
- 疲労が蓄積した状態での運転
- 慣れない道路での移動
には危険も多くあります。
もちろん、事故は遠征に限った話ではありません。
しかし、「競技力向上」のために行う活動で、大きな事故リスクを抱える必要が本当にあるのかは、慎重に考えるべきだと思います。
個人的には、全国大会を目指すような強豪チームであれば、県外遠征の必要性は高いと思います。
一方で、
「スポーツを楽しむ」
「体を動かすことを目的とする」
レベルの活動であれば、毎週のような県外遠征までは必要ないケースもあるのではないかと感じています。
当然、チーム内には、
- 上を目指したい選手
- 楽しみながら続けたい選手
の両方がいる場合もあります。
だからこそ、チームとして方向性を共有することも大切だと思います。
保護者の送迎負担
現在、多くの部活動は保護者の送迎によって支えられています。
- 早朝集合
- 夜遅い帰宅
- 休日の長距離運転
など、保護者への負担は非常に大きいです。
共働き家庭が増える中で、
「部活動だから仕方ない」
という考え方は、現代の生活環境に合わなくなってきているようにも感じます。
また、
- ガソリン代
- 高速代
- 宿泊費
など、経済的負担も無視できません。
家庭によっては遠征参加が難しいケースもあり、部活動が「家庭の経済力」に左右される状況も生まれています。
ただ、保護者の送迎文化は、地域や時代によっても違いがありそうです。
私自身が部活をしていた頃は、誰かに送迎してもらったことは一度もありませんでした。
基本的に、自転車と公共交通機関で移動していました。
弱小チームだったので、県外遠征自体がなかったというのもありますが、今とはかなり環境が違っていたように感じます。
通常練習や休息の方が効率的な場合もある
県外遠征でしか得られない経験がある一方で、その時間を通常練習や休養に使った方が効果的な場合もあります。
例えば、往復6〜8時間を移動に使う遠征では、実際に練習できる時間は限られます。
その結果、疲労だけが残ってしまうケースも少なくありません。
その時間を使って、
- 地元で質の高い練習をする
- 身体のケアを行う
- 睡眠時間を確保する
- 栄養管理やリカバリーを徹底する
といった取り組みを行った方が、長期的には競技力向上につながる可能性も高いと思います。
特に成長期の中高生にとって、休息は「サボり」ではなく、重要なトレーニングの一部です。
技術の進歩で解決できないか?
これらの課題は、すぐには解決できません。
しかし、将来的には技術によって解決できる部分もあるのではないかと思っています。
陸上では最近、トラック内側のLEDが設定ペースに合わせて点灯するシステムも登場しています。
これによって、速いペースを「視覚的に体感」することができます。
さらに将来的には、ロボットのペースメーカーが登場するかもしれません。
実際、ハーフマラソンではロボットが走って人間の世界記録更新も実現しています。
もっと先には、
- バーチャル映像
- AR
- AI
などを使い、遠く離れていても一緒に練習しているような環境が作られるかもしれません。
一方で、球技は難しい部分もあります。
サッカーをするロボットの研究開発も進んでいるようですが、
- コスト面
- 安全面
- 接触プレー
など、課題は多そうです。
野球でも、ピッチングマシンやバッティングマシンの進化は考えられますが、導入には費用がかかります。
これからの部活動に必要な視点
部活動は、単に勝利だけを目的にするものではありません。
- 仲間との協力
- 礼儀
- 継続する力
を学ぶ教育活動でもあります。
だからこそ、
「遠征が多いほど熱心」
「県外へ行くほど強い」
という考え方だけではなく、
- 本当に必要な遠征なのか
- 子どもたちにとって最適な活動なのか
- 安全面は十分に確保されているのか
を見直すことが必要なのではないでしょうか。
遠征を完全に否定する必要はありません。
しかし、競技特性や目的を明確にし、
- 通常練習
- 休息
- 安全性
とのバランスを取ることが、これからの部活動には求められているように感じます。
部活動の「当たり前」を、一度立ち止まって考える時期に来ているのかもしれません。
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