安静時の心拍数が下がると走力も向上する?~自分のデータで検証してみました~

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今回は、ランナーなら一度は気になったことがあるかもしれない「安静時心拍数」と「走力」の関係について書いてみたいと思います。

安静時心拍数については、以前の記事でも取り上げました。

以前の記事では、安静時心拍数が低くなる仕組みや、マラソンとの関係について紹介しました。

今回は少し視点を変えて、自分自身のGarminに残っているデータと、フルマラソンのベストタイムを並べてみると、どんな関係が見えてくるのか?を確認してみました。

Garminに残っている安静時心拍数を確認

私の場合、Garminに2020年10月以降の記録が残っています。

そこで、それぞれの1年間の安静時平均心拍数と、その期間のフルマラソンのベストタイムを並べてみました。

  • 2020年10月~2021年9月:59bpm 足底腱膜炎で走れなかった時期

  • 2021年10月~2022年9月:44bpm コロナ禍でフルマラソンの記録なし

  • 2022年10月~2023年9月:43bpm フル2時間45分

  • 2023年10月~2024年9月:45bpm フル2時間38分

  • 2024年10月~2025年9月:45bpm フル2時間38分

  • 2025年10月~2026年9月:42bpm フル2時間33分

※安静時心拍数は年間平均なので、レース直前などはこの数字より低い時期もあります。

こうして並べてみると、個人的にはかなり興味深い結果になりました。

走っていない時期は心拍数が高かった

まず目につくのが、2020年10月~2021年9月です。

この時期は足底腱膜炎の影響で、ほとんど走ることができませんでした。

年間の安静時平均心拍数は59bpm

その後、再び走るようになると44bpm、43bpmと大きく下がっています。

もちろん、安静時心拍数はトレーニングだけで決まるものではありません。

睡眠、疲労、ストレス、体調、飲酒など、さまざまな要因によって変化します。

それでも私自身のデータを見る限りでは、継続して走るようになった時期と安静時心拍数が低下した時期が重なっていることが分かります。

心拍数が低いほどマラソンは速くなっている?

では、走力との関係はどうでしょうか。

私の場合、

43bpm → 2時間45分

45bpm → 2時間38分

42bpm → 2時間33分

となっています。

単純に考えると、「安静時心拍数が低い年ほどフルマラソンのタイムも良くなっている」と見えます。

ただし、ここは注意が必要です。

安静時心拍数が下がったからマラソンが速くなった、とまでは言えません。

マラソンのタイムには、走行距離、スピード練習、体重、筋力、フォーム、レース展開、気象条件など、非常に多くの要素が関係しています。

私自身も、以前より練習量やスピード練習の内容が変わっています。

したがって、このデータだけで「安静時心拍数を下げればマラソンが速くなる」と結論づけることはできません。

なぜランナーは安静時心拍数が低くなるのか?

では、なぜ持久系のトレーニングを続けると安静時心拍数が低くなるのでしょうか。

大きなポイントの一つが、1回の心拍で送り出せる血液量(1回拍出量)が増えることです。

心臓から1分間に送り出される血液量は、簡単にいえば、

心拍数 × 1回拍出量

で決まります。

持久系トレーニングによって心血管系が適応すると、1回拍出量などが増加し、安静時や一定強度の運動時には、より少ない心拍数でも必要な血液を循環させられるようになります。

研究でも、持久系トレーニングによって安静時心拍数が低下し、最大心拍出量や1回拍出量などが改善することが報告されています。

つまり、

「心臓が1回で多くの血液を送り出せるようになったので、安静時には以前ほど頻繁に心臓を動かす必要がなくなった」

と考えると分かりやすいと思います。

もちろん、これは単純化した説明で、実際の身体の適応はもっと複雑です。

安静時心拍数は「走力のものさし」になる?

今回、自分のデータを見ていて感じたのは、安静時心拍数は走力そのものを測定する数字ではないけれど、トレーニングによる身体の変化を見る一つの指標にはなりそうということです。

例えば、以前より走る距離が増えて、同じような生活をしているのに安静時心拍数が徐々に下がってきた。

そして、実際にペース走やレースでも以前より楽に走れるようになった。

こうした変化が重なってくれば、「持久力が向上しているのかな?」と考える材料にはなります。

一方で、普段より急に心拍数が高くなった場合は、単純に「走力が落ちた」と考えるのではなく、疲労や睡眠不足、体調なども含めて考える必要があります。

逆に、数値が低ければ低いほど良いというわけでもありません。

2025年のレビューでは、持久系アスリートに安静時徐脈がみられる一方、40bpm未満の非常に低い心拍数は健康面も考慮する必要があるとされています。

私の場合は「42bpm」が一つの目安?

現在の私の年間平均は42bpm。

そして、この期間にフルマラソンの自己ベストも更新しました。

もちろん、これはあくまで私自身のデータです。

それでも、過去のデータを振り返ってみると、

走っていなかった時期 → 安静時心拍数が高い

継続して走る → 安静時心拍数が低下

走力が上がった時期 → 安静時心拍数も低い

という流れが見えてきました。

「安静時心拍数を下げれば速くなる」というより、

トレーニングによって持久力が向上した結果として、安静時心拍数も低くなっている

と考えるほうが、私自身のデータには合っているように思います。

健康診断などで血圧を測ったとき、「心拍数が低いですね。何かされていますか?」と聞かれた経験のあるランナーも多いのではないでしょうか。

私もランナーになってから、一般の人とは少し違った心拍数になってきました。

Garminなどで毎日の心拍数を記録している方は、単に「今日は何bpmだった」と見るだけではなく、数か月、1年という長い期間で振り返ってみると、自分のトレーニングによる変化が見えてくるかもしれません。

ぜひ一度、過去の記録を振り返ってみてください。

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