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市民マラソンでは、引退した元実業団選手が一般ランナーとして参加することがあります。
大会要項を見ると、多くの大会では「健康な方であれば参加できます」とされており、元実業団選手が出場することに何の問題もありません。
しかし、順位や年代別入賞を目標にしている市民ランナーにとっては、少し複雑な気持ちになることもあるのではないでしょうか。
実は私自身も、以前はその一人でした。
元実業団選手が出場すると感じていたモヤモヤ
走り始めたころの私は、元実業団選手が市民マラソンに出場することに少し違和感を持っていました。
特に副賞が用意されている大会では、元実業団選手が優勝し、副賞を受け取る姿を見るたびに、
「市民ランナーだけの表彰があってもいいのではないか」
と思ったこともあります。
もちろん、出場資格がある以上、元実業団選手が悪いわけではありません。
それでも、何年も練習を積み重ねてようやく入賞を狙えるようになった市民ランナーにとっては、元トップ選手の存在はとても大きく感じられました。
同じような気持ちになったことがある人も少なくないのではないでしょうか。
走り続けるうちに考え方が変わった
ところが、自分自身が走り続け、少しずつ記録が伸びるようになると、不思議と考え方が変わってきました。
現役時代の実業団選手であれば到底勝負にならなかった選手とも、年齢を重ねるにつれて少しずつタイム差が縮まってきたのです。
これは決して元実業団選手の努力が足りないという話ではありません。
競技スポーツでは、現役時代に最高のパフォーマンスを発揮し、その後は年齢とともに少しずつタイムが変化していくのは自然なことです。
一方、市民ランナーは事情が少し違います。
市民ランナーには「伸びしろ」がある
市民ランナーの多くは、学生時代に競技経験がなく、30代、40代、あるいは50代になって本格的に走り始めます。
つまり、ランニングを始めた頃が一番走力が低く、正しい練習を積み重ねることで、何年にもわたって自己ベストを更新できる可能性があります。
もちろん個人差はありますが、市民ランナーの成長曲線は、競技選手とは少し違います。
だからこそ、若い頃には考えられなかったようなレベルで元実業団選手と競い合えることもあります。
それは市民ランナーだからこそ味わえる、大きな楽しみの一つだと思います。
印象に残っている元実業団選手の言葉
私は現在、毎週一緒に練習している同年代の元実業団のトップ選手がいます。
その方から、ある日こんな言葉を掛けられました。
「私は年々タイムが落ちていくだけ。でも○○さん(私)は走るたびに自己ベストが出るから楽しいでしょう。」
この言葉は、とても印象に残っています。
決して悔しさを口にしたわけではなく、競技者としての現実を受け止めた上で、市民ランナーが成長していく姿を温かく見てくれているように感じました。
私自身も、「市民ランナーには市民ランナーならではの楽しさがある」と改めて気づかされました。
元実業団選手から学べること
元実業団選手の中には、引退後はほとんど走らなくなる方もいれば、趣味としてランニングを続け、市民ランナーと一緒に練習や大会を楽しんでいる方もいます。
そうした方々と走ることで、フォームやペース配分、レースへの考え方など、多くのことを学ぶ機会があります。
速い選手と同じレースを走ることは、決して損ではありません。
むしろ、自分がどこまで成長したのかを知る良い物差しになります。
昔は「別枠があってもいいのでは」と思っていた私ですが、今では同じスタートラインに立てること自体が貴重な経験だと感じています。
レース前の準備、アップ等々、勉強になることが多数あります。
市民マラソンの魅力とは
市民マラソンは、順位だけを競う大会ではありません。
自己ベストを目指す人、完走を目標にする人、健康維持のために参加する人など、それぞれが違う目的で同じスタートラインに立っています。
そこに元実業団選手が加わることで、レースのレベルが上がるだけではなく、新しい刺激や目標が生まれることもあります。
もちろん、さまざまな考え方があって当然です。
私自身も以前は違う考えを持っていました。
だからこそ今は、「元実業団選手も市民ランナーも、お互いをリスペクトしながら走れること」が、市民マラソンの魅力なのではないかと思っています。
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